自律神経をケアしましょう

今回からは自律神経について回数を分けて書いていきます。

自律神経という言葉は常に聞かれる言葉だと思います。「自律神経が乱れた」「胃がもたれるから病院に行ったら『疲れと自律神経が乱れているためでしょう』」など一般的な言葉になっています。

ではこの自律神経、実際はどのような働きがあるのでしょうか。

自律神経って

自律神経は大きく交感神経副交感神経に分けられます。この双方の働きで、消化器や呼吸器、泌尿器、生殖器、血管の壁を作っている平滑筋という筋肉や心臓の筋肉(心筋)、腺を支配して協調させるように調節しています。これらは自分の意志では意識的に使うことができません。

交感神経は活動に適した状態へ、副交感神経は活動に備えた状態をそれぞれ整えるものです(交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキという表現の方がわかりやすいかもしれません)例えば、運動するときには交感神経が高まり、血圧が上昇し、心機能が高まりますが、消化管の機能は抑制されます。対して副交感神経が高まることで消化管の働きは活発になり、消化吸収が亢進し、体にエネルギーや栄養源を蓄えることで活動するときに備えていきます。

上の図は自律神経の流れを示しています。胸や腰あたりから出て様々な器官に流れるのが交感神経(これによって胸腰系と呼ばれます)、頭(脳)や仙骨という部分から出ていくのが副交感神経(こちらは頭仙系)となります。

自律神経が乱れる原因

「自律神経が乱れる」という事は、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかないという事です。なぜうまくいかないのか、その最大の要因はストレスです。

ストレスに関してハンス・セリエという方が研究してくれています。それによってストレスは4種類あり、その進行度は3段階あるとされています。

・環境的なストレス(暑さ、寒さ、湿度、騒音など)

・生物的なストレス(病気、炎症、食中毒、感染症、カビ・微生物・ウイルスなど)

・科学的なストレス(タバコ、保存料、酵素、薬物、化学物質、添加物など)

・精神的なストレス(人間関係、貧困、怒り・不安・孤独感など)

以上4種類のストレスが引き金となって、

・警告期(ショック相と反ショック相)

・抵抗期

・疲憊(ひはい)期

という手順で体に変化を及ぼします。*ストレスに関してはまた別の機会に書きます。

何となく調子が出ない、寝ても疲れが取れない、胃腸の具合がよくない、頭痛やめまいを感じる、不安感が強いなど自律神経が乱れることで出てくる状態の変化は徐々に体を蝕みます。このような状態になったらまずは自己判断しないで医師に相談することを考えてください。多くの場合は「自律神経の乱れ」「働きすぎ」など自律神経に関係する診断かもしれませんが、裏に何か重大な疾患があるケースも考えられます。

そして、自律神経に関係することであるとわかれば、4種類のいずれのストレスを自分では多く感じているのかを客観的に考えていただくと、それぞれに対策も練りやすくなります。

次回は、自律神経の乱れを整える方法を書いていきます。