座り姿勢と肩こり

前回は肩こりについて小胸筋という筋肉の緊張を取り上げました。今回は座るときの姿勢と肩こりについて書いていこうと思います。

座り姿勢と体への負担

長い時間座っている状態ですと、腰や首、肩の緊張、足のむくみなど多くのトラブルが出てきやすくなります。できるだけ体に負担がかからない姿勢が望ましいのですが、普段座っている椅子の形状など自分ではどうにもならない問題も少しの工夫で多少改善させることができます。

まず、座っている時に骨盤の坐骨でちゃんと座れているか確認してください。

上のイラストの右手で触れている赤い丸の部分、ここが坐骨です。坐骨は骨盤の骨の一番下にある部分です。ここが椅子の座面に当たっているか、座っているお尻の下に手を入れてぐりぐりと固い骨を触れれば座骨が座面に乗っていることになります。字のごとく坐骨は座っている時に支えになっている骨であるべきですが、気を抜いたり、電車の椅子ではよく見かける座り方に「仙骨座り」という座り方があります。

また、仙骨に座っておらず、坐骨にちゃんと椅子が面していても背中が丸くなることも最近のPC作業や携帯の使用時にはよく起こる姿勢の崩れです。

いずれにしても骨盤は後方に傾きやすくなります。この状況では股関節の前を通る筋肉や内ももの筋肉そして腹筋などが短く短縮してしまいます。これらの筋肉が短くなってしまっている状態では、顔が肩よりも前方に移動してしまいます。

すると首から肩にかけての筋肉たちは常にストレッチがかかりながら筋肉を緊張させている状態となり、肩の凝りへとつながります。

そこで、理想的な座り方は坐骨に座りながら背中がしっかりとまっすぐに立ち上がっている姿勢となりますが、なかなかこれは意識しておかないと難しいですので、座面の上にタオルなどを使い少しだけ傾斜をつけて座ってみてください。

下の写真のようにタオルを片側だけ高くしてそこに坐骨が来るように座ってみてください。

これによってほんの少し骨盤が前に傾くことで坐骨が座面に当たるようになり自然と背骨もまっすぐになりやすくなります。もちろん、最初から座面がこのような傾斜をとれる椅子もありますが、もしフラットな椅子を普段使っているようでしたら、タオルで少し調整してみてください。

次回は先ほどの仙骨で座ったり、骨盤自体が後ろに傾くような姿勢が多い方向けの日々のストレッチをご紹介いたします。