前回は坐骨で座っていただく方が上半身の姿勢が保ちやすく肩こり予防にも有効ですが、そうではなく、仙骨という骨盤の真ん中にある骨に体重を乗せてしまう仙骨座りによって肩こりにつながるという話を書きました。今回は、その対処としていくつかのストレッチをご紹介します。
まずは腸腰筋のストレッチから。この腸腰筋は腰椎という腰の背骨から始まり、太ももの内側につく筋肉でももを上に持ち上げる作用があります。長時間の座業によって股関節は曲がった状態が続き、結果腸腰筋が短い状態が持続します。この筋肉は様々な体の不調とかかわりあうのですが、それはまた機会をみて書いていきます。この座業によって短くなった筋肉を伸ばすことで姿勢を正す効果があります。
この2つは左はお尻の横、右はお尻からもも裏のストレッチになります。特に左のお尻わきの筋肉は伸ばしづらいポイントですが、この筋肉が硬くなるとももの前や後ろが硬くなる傾向があります。
これは内転筋というももの内側の筋肉を伸ばすものになります。内転筋を伸ばす場合は座った状態で両脚を開脚する方法やそれを片側ずつ行う方法があります。ご自身で一番やりやすいものを取り入れてください。この内転筋が硬くなることで骨盤を後ろに回転させる力になり、結果として腰から背中まで猫背になっていきます。
内転筋は硬くそして弱くなりがちです。このような運動で内転筋を使うことも入れるとより効果的です。
今回ご紹介したのはほとんどが骨盤に関係する筋肉です。骨盤周辺の筋肉が固まることで上半身のラインを崩し、肩が前に入り、首は前に移動する状態になりがちです。首や肩が辛いからそこだけを伸ばすのではなく、骨盤周りの筋肉もケアして正しい姿勢で座れるようになっていくと肩こりの予防につながります。
どのストレッチも30秒から1分、呼吸は止めずに対象の筋肉が伸びていると感じる程度の強度で構いませんので、毎日のルーティンワークとして取り入れてください。