新生活を迎える春。普段の生活で気をつけることは?東洋医学的視点から。

春、新生活が始まり新しい環境での活動に精力的に取り組みたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。この「春」は東洋医学的には「発陳(はっちん)」と呼ばれます。冬に貯め、土の下に隠れていたものが芽吹く時期となります。

芽吹くのは植物だけではなく、体の中の気も盛んになります。そんな春の養生を東洋医学的に書いてみます。

春は遅めに寝て、早く起きる

遅めに寝て、早く起きるとしても、夜更かししてよいという事ではありません。春になると日も長くなり、明るい時間が長くなるので寝るタイミングが遅くても多少問題ないという事です。

子午流注(しごるちゅう)では子の刻23時から1時までは胆、丑の刻1時から3時までは肝が気血の流れが盛んになる時間とされています。

 

 

そこで寝る時間は遅くとも23時までには就寝することが望ましいです。起きるのは日が昇るタイミングに合わせて起きることが良いでしょう。

春と五臓六腑

春は人体の五臓六腑の内、「肝」が関わり深い季節です。そして肝と表裏の関係にあるのが「胆」です。そこで上記の時間を見て、胆と肝が盛んになる子の刻と丑の刻には就寝している方が良いのかもしれません。

東洋医学の肝は人体の気・血・水の流れをスムーズにする疏泄(そせつ)という作用と、血を集めておく蔵血(ぞうけつ)作用があります。

食養生

春は様々なものが活発になる時、体の中の気や血も自然に活発になります。肝は血を集めておく作用がありましたが、血は勝手に元気になってしまうので肝の蔵血作用も大忙しです。それをサポートするように酸味のある食べ物を意識的に摂ることが大事とされています。

酸味には収斂(しゅうれん)作用(=あつめ、ひきしめる)があるとされています。また、適度な酸味は肝を滋養してくれます。

酸味のある食材としてはイチゴや梅、柑橘系の果物、酢などです。ただし、酸味も摂りすぎれば肝を傷めてしまいます。ほどほどに。

 

春は大きな変化がある季節ですが、周りのあわただしさに流されずに睡眠、食事、適度な運動などで養生することを時折心がけて過ごしていくことが大切です。春の過ごし方が夏の健康にもつながります。