股関節に痛みを訴える患者さんは多くいます。今回は大人からバレエを習い始めた方の例です。
今回のケース股関節の前が痛い
「ももを上にあげるときに股関節の前が痛くてできない。」「股関節の前が痛いためにグラン・パ・ド・シャ(バレエの動きの1つです)が踏切からしっかり脚を前に出せない。」
この状態から診るのは自動運動(患者自身に体を動かしてもらいます)、他動運動(施術者が患者の体を動かしていきます)それぞれでどの部分に痛みが出るのか、可動域はどうなのかという点です。
それらから見えた部分としては自動運動ではもも上げだけで痛みが出ました。そして他動運動(患者さんが動かさない分、筋肉が緊張していない状態で関節運動を評価しやすくなります)では股関節を内側に回す動作が著しく低下してたという事です。
アプローチ
股関節のねじれを後方、前方より調整することで大腿骨(太ももの骨)が正しく骨盤に収まるようにしました。
この調整後に再度自動、他動でのチェックをしたところ痛みがかなり軽減していました。
その後はねじれによって生じていた周辺の筋肉の緊張を緩和させ、そこに至ってしまった要因を全身のバランスをみながら整えることで痛みが解消しました。
バレエの患者さん
バレエの基本姿勢であるつま先を外に向けるアン・ドゥオールという姿勢、バレエを大人から習い始めた方は、つま先を外に向けることに意識が行きがちで、股関節から回す、それを可能にするには体幹部の安定性を増さなくてはならないという事の優先順位が低くなりがちです。
個々の状態に合わせた動かし方をお伝えすることも長くバレエを楽しむためには必要なことだと思います。