小児鍼

前回は身柱と小児斜差の灸として、小児に良く用いられるツボを書きました。今回は、ご自宅で行える小児鍼について書いていきます。

対象年齢

だいたい首の座る生後2か月くらいから小学校中学年くらいまでが対象です。それ以上は通常の鍼を使うことが多いので。逆に大人の方でも鍼に敏感であったりする場合は接触鍼として同様の鍼を使うことがあります。

小児鍼はどんな時に使うのか

夜泣きやおねしょ、疳の虫のような落ち着きがない場合、小児のアレルギー疾患など子供の頃の様々な状態に使います。

ただし、高熱時や感染症、脳疾患、骨折・脱臼などの場合は行いません

自宅では

通常は前回ご紹介したような刺さない鍼を持っている方はいらっしゃいません。そこで、代用として「歯ブラシ(やわらかめ)」や「ステンレススプーン(使うのは凸面です)」などを使うことができます。

上の図の青い線は撫でてあげる場所、赤い部分は軽くトントンと叩くようにしてあげる場所です(*ただし頭頂部や頭はまだ骨がしっかりと癒合していない部分があり、危険な場所ですので2歳になるくらいまでは刺激を与えないでください)。

まずは背面からやると良いと思います。背中の青い線を肩甲骨周り、腰回りの順で歯ブラシの場合は軽くシュシュと皮膚を撫でるように、スプーンも同様に凸面で撫でるようにしてください。

次に背面の赤い部分を歯ブラシのブラシ部分でトントンと叩いていきます。

次は前側。胸の部分は特にトントンと叩くような方法をメインとするといいと思います。そして、青い線を撫でてあげながら、胸とお腹の境目辺りをトントンと叩きます。お臍の周りを時計方向に撫でてあげたら終了です。

ここまでおよそ5~10分です。撫でるにしても叩くにしても皮膚がほんのり桜色程度になったら十分です。やりすぎは禁物です。

また、1人でやる場合は抱っこしながらスキンシップを図りながら、歌を歌いながらでもいいです。話しかけながらでもいいです。コミュニケーションの1つとして小児鍼を取り入れてみてはいかがでしょうか。2人でやる場合も一方が抱っこしてあやしながら、もう1人が小児鍼をやるという具合です。

当院では

通常メニューには入れておりませんが、お話しいただけましたらお子様に小児鍼を行っております。時間は10分弱で1000円となります。その際、歯ブラシなりスプーンなりをお持ちいただければ、ご自宅で行えるように指導も行っております。