むくみの改善

今回からは「むくみ」をテーマに書いてみたいと思います。朝起きると顔がパンパンに張っている感じがする、夕方以降に足が太くなり靴がきつい、ふくらはぎやスネに靴下の跡がついてなかなか取れないなどはむくみがあることを示唆しています。

今回はむくみとは何かをベースに書いていきます。

むくみの正体

むくみの正体は皮膚の下にある余分な水分です。この水分は細胞間液という液体です。体の各所に栄養を補給したり酸素を届ける役割を担うのは血管と血液です。動脈は栄養や酸素を届け、体からでた不要なものや二酸化炭素は静脈によって肺や心臓に戻るようになります。

しかし、すべての細胞に動脈や静脈は張り巡らされているわけではありません。動脈の末端からは血漿(けっしょう)と呼ばれる血液の液体成分が血管の外に染み出てそれが細胞と細胞の間を埋めています。ですので細胞間液と言われます。

この細胞間液がうまく循環していれば良いのですが、それが静脈やリンパ管に吸収されずに停滞することがむくむ原因の1つです。吸収されない要因はいろいろありますが、細胞間液の酸性化があります。お酒を飲んだ翌日にむくみを経験したことがある方もいらっしゃると思います。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドから酢酸に代謝されますが、酢酸が酸性化の要因となります。

いずれにしても、むくみの正体は吸収されずにいる余分な細胞間液という事になります。

うまく吸収された余計な細胞間液はリンパに入りリンパ液となり、それらがろ過されたりする場所が図では膝に拡大図を入れましたが、リンパ節という場所です。リンパが腫れたという表現はこのリンパ節が腫れたという状態となります。

リンパマッサージ

余計な水分が各所にとどまっている、その原因は様々ですが、自分自身でケアする方法としては、リンパマッサージがあります。

先ほどリンパ液はリンパ節でろ過されると書きましたが、このリンパ節でリンパ液が滞っても末端での停滞につながります。そこでこのリンパ節へのマッサージが有効になることが多々あります。

リンパ管というものは大きな動力源はありません。血管であれば心臓がありますが、リンパ液は周辺の筋肉の収縮や呼吸による作用などによって循環していきます。そこでマッサージもできるだけゆっくりとソフトに行った方が流れがよくなります。

まずはリンパ節を軽い圧でほぐすようにマッサージします。ゴリゴリとしているケースもありますが、強くはやらず優しくほぐしてあげます。図のオレンジで囲まれた部分がリンパ節が密集している場所です。特に鼠径部のリンパ節、わきのリンパ節、そして鎖骨の下のリンパ節は重要です。

リンパ節をほぐしたら、図の矢印の方向に体のリンパをリンパ節に向かって流します。この時にオイルなど潤滑剤を使った方がやりやすいです。これもゆっくり丁寧に流してあげます。リンパは常に下から上へ流れるというよりも、それぞれ分水嶺があり、あるリンパ節には決まったエリアから流れるという仕組みがあります。

一通り流したら後はゆっくりと深呼吸をしてリラックスして終了です。また終わったら水分を補給することも忘れずに。