前回は胎児が出産を経てどのように腸内細菌を獲得するかを書きましたが、今回は、幼少期の夜泣きや夜驚など疳の虫について書こうと思います。
疳の虫
先ほども書きましたが、以下のような症状が出たら疳の虫を疑うことになります。
・夜泣きがひどい状態
・甲高い声をあげる、奇声をあげる
・不機嫌
・できないとすぐにイラついたりする
・癇癪を立てる
・人や物を叩いたり、乱暴な行動が多い
など
これらを起こしやすいお子様の特徴としては
・額、眉間の間に青筋(静脈)を見ることができる
・額全体が青白い
・白目の部分が青白い
・髪の毛が逆立っている
ただ、疳の虫というのは病気ではなく、発育段階での1つの過程ですのでそれほど心配することはないものとされています。
疳とは
そもそも、疳とは「甘」と「乾」の2つの意味があります。
甘に病だれで疳ですが、甘いもの、脂っこいもの、味の濃いものを過食することで脾や胃に負担をかけるという意味と体を構成している中で「気・血・水」が乾燥し涸れることで体が痩せ細る状態という意味があります。
つまり疳の虫の病因としては
・幼少期の飲食不節…食事の過多や不規則・不適切な食事による脾胃(消化器系)の損傷が生じる。
・栄養不足…例えば母乳の成分が不足していたり、バランスを欠く食事によって子供の栄養不足へつながり、脾胃で気や血を作り出せなくなることで体を滋養することができなくなり様々な状態を引き起こす。
など幼少期の食事や栄養バランスが関与していると思われます。
疳の虫を予防
疳の虫に対して、例えば小児鍼を行う、漢方を服用させるなど対処方法はいろいろありますが、まずはご自宅でできることとして食事を見直してみるのも手かもしれません。
・幼児に必要な栄養価を考えて食事を与えるようにする(母乳が不足しているならばミルクで代用してもいいでしょう)。
・消化不良を起こしていないか気を付けてあげる。
・食事の時間はできるだけ同じ時刻にしてあげる。
・偏食に注意してバランスの良い食事を心がける。
・ストレスなどを与えないように規則正しい生活を心がける。
などです。
次回は子供に行う鍼やつぼを紹介します。