むくみ対策にツボ押し

前回はむくみとはという事で余計に停滞している細胞間液ですと書きました。今回はむくみを東洋医学の面で書いてみようと思います。

むくみと東洋医学

東洋医学において水分全般は津液(しんえき)と言われます。この内、余計な津液が停滞してしまう事を痰飲(たんいん)、痰濁(たんだく)と言います。

痰は「脾の機能の失調によって生み出される」という言葉もあります。ここでいう脾は、東洋医学の脾ですので西洋医学における脾臓とは少し違います。東洋医学における脾は消化吸収機能を担っていますので、この機能が正常に働かない状態では痰という余計な水分が作られることになります。

この脾を滋養する方法はいろいろあります(鍼灸や薬膳など)が、食養生として考えると脾を滋養するには甘みがよいとされています。もちろん甘みと言ってもケーキや砂糖などの甘さではなく食材そのものの持つ性質なのですが、これに関しては次回、むくみと栄養という点で書いてみようと思います。

むくみとツボ

むくみは先ほど書いたように代表的には脾の働き、またそこから関連して五臓の働きをよくすることが求められますが、セルフケアとしてはツボを刺激することが簡単な方法の1つだと思います。

むくみに効くツボは様々ですが、今回は3つご紹介します。

天突(てんとつ)と足三里(あしさんり)、豊隆(ほうりゅう)です。

天突はご自身の胸骨という胸の真ん中にある骨を、のどの方にゆっくり触っていくと胸骨の上の部分にくぼみを触れることが出来ると思いますが、そのくぼみの部分が天突というツボになります。

足三里はすねの筋肉を触ってみて(足首を上に挙げると筋肉がでてきやすいです)、その筋肉の上部のあたりにツンと押すと痛みが出るようなところが足三里です。

豊隆は、その足三里が基準になりますが、簡易的に外くるぶしと膝のおおよそ真ん中くらいの高さでスネの筋肉のやや外側に押すと反応がある所、そこを豊隆としてください。

天突、足三里、豊隆どれも痰を処理するツボ(去痰のツボ)ですが、それぞれには役割があります。

天突は肺や胸にたまった痰(余計な水分)を去らせる効果、足三里は胃やお腹にたまった痰、そして豊隆は全身の痰を去らせる効果があります。

これらのツボをゆっくりと5秒から10秒押し続け、それを2,3度繰り返してください。お灸等も効果的ですのでお試しください。

むくみやすい部分に合わせて使い分けて指圧やお灸を行って頂くと良いですね。