便秘を多角的に考える

明日は便秘・下痢など腸の働きについて日々施術に当たっている方々に向けての勉強会を開催します。

便秘にしても下痢にしても腸の運動、働きの異常で起こることがほとんどですが、それをどのような視点で考えていくか、東洋医学的な視点で見るのか、現代医学的な視点で見るのか、そもそも腸の働きが正常でない理由はなんであるのかなど様々な視点で考え、個々人にあったアプローチを提供できることが望ましいと考えています。

東洋医学的な視点

東洋医学では五臓六腑の働きに着目し、それらの相互バランスの崩れを調整するという事が行われます。一般的に現代医学で言われるように腸の蠕動運動がうまく動かず内容物が停滞すれば便秘に、運動が過敏になって必要な水分を大腸で吸収できなければ下痢にという視点よりも、その腸の働きがなぜ正常でないのかを腸に直接関連する臓腑、経絡の問題なのか、それらへ影響を与える他の臓腑の問題なのかを考えアプローチをします。

例えば肝という部分はストレスや怒りが過度になると肝鬱という状態になり鬱滞したものは熱を帯び、その熱が腸へ影響を与え便秘につながるならばまずは肝を正常にすることが必要という見方です。

その他にも様々な要因(津液、気、血)から総合してアプローチを決めていきます。

現代医学的視点

器質的な便秘、機能的な便秘に分けて考え、器質的つまり物理的な問題(腸が捻転している、閉塞している、潰瘍が大きくなり便の通過スペースを狭めているなど)であれば外科的な処置も用いられるでしょうし、機能的なものでしたら、ストレスなのか運動不足なのか、下剤の多用により腸自体の動きがコントロールできない状況になっているか様々な要因を探り、それに対し個々に対処する方法がとられるでしょう。

どの視点で状態を把握するか、その基準はしっかりと決めたうえで、その他の視点も否定的になるのではなく、自分の基準と照らし合わせて整合性のある部分、懐疑的な部分を理解しておくことでより多角的な視点でのアプローチができるようになる、そんな手助けを明日は勉強会を通じて行うことができるといいと思います。