肩こり対策

肩こりの多くは首から肩、そして背中まで張り巡らされている筋肉、僧帽筋(そうぼうきん)の上の部分に過度の緊張が入り、そこで血行不良や老廃物の蓄積がもたらされている状態です。ざっくり言ってしまえば首から肩にかけての筋肉の緊張です。しかし、この筋肉がなぜ緊張するのかという事が「肩こり」を解決していくには重要なことです。その為、実際に緊張している筋肉をマッサージするだけでは対処療法に過ぎないこともしばしばです。

対処療法がいけないという事ではありませんが直接患部へアプローチすることに加え、その原因を探ることも重要なことです。この原因は様々です。内臓的な問題、メンタルの問題、もしかしたら、足首あたりの障害で正しく立てていない事も原因にはなります。このあたりのことは追々書いていくとして、今回は肩こりの原因を「小胸筋」という筋肉にフォーカスして書いていきます。

小胸筋

この図の左胸に胸を縦に走るとりわけ色の濃い筋肉が小胸筋です。肩甲骨の一部から肋骨にかけて付いている筋肉です。肩甲骨を背中に固定する作用や肩甲骨を斜め上に引き上げる作用もあります。ご自身の胸をすぼめるようにすると肩が内側に入ると思いますが、この時に肩甲骨は少しだけ上に上がります。このような状態を作っている1つが小胸筋です。パソコンに向かっている姿勢を取ってもらうと先ほどの胸をすぼめる状況に近くなります。おおくのデスクワークが小胸筋の緊張をもたらすと言ってもいいと思います。

このような小胸筋の緊張が肩甲骨を少し上に引き上げる状況をつくり、必然的に首をすぼめ肩との距離を短くしてしまい、持続的に首から肩へかけての筋肉を硬くしてしまいます。これらの筋肉に過度の緊張が持続的に起きることで血流不足をもたらし、肩こりへつながります。

肩こりの時に肩をほぐしたりストレッチをすることが、状態の緩和につながりますが、小胸筋のアプローチも忘れないようにしたいところです。

小胸筋ストレッチ

これらのストレッチは小胸筋にアプローチを掛ける事が出来ます。しかし、観て分かる通り小胸筋は大胸筋というでかい胸の筋肉の下を走っているので、これらのストレッチをすると胸を全体的にストレッチする事になります。この時に必要な事が、小胸筋を意識する事です。もう一度最初の図をみてイメージを高めてみてストレッチをするといいですね。
ただし肩の痛みがある場合は無理にストレッチをしないようにしてくださいね。

小胸筋の緊張をとり、機能的にする事で肩甲骨の機能もただす事が出来ますし、女性にとってはバストアップにつながる筋肉です。全体の筋肉の中では小さな筋肉ですが、その役割はたくさんになっています。小胸筋をほぐし肩こりだけでなく体のバランスを整え、体調も整えていける手助けにしてください。